harustory’s diary

日々の思索、その物語

言葉の力

言葉は人を変える力をもつのか。
言葉は人間が生み出した叡智であり、魂そのものか。

初めに言葉ありき。創世記、神は人に言葉を託した。神の啓示は人に言葉をもたらすことであった。結果的に。言葉は最初から人には与えられてはいなかった。

  もし、僕にとって、言葉が蜃気楼のようなものなら、僕は甘い、うっとりするような幻想に浸り続けていただけで、現実に直面したとき、それは世知辛い社会の前にあって力を失う。言葉の記号的意味がイメージされても、内実は水泡のように消失する。
内定を受けた、1月、僕は「あんぱん‼︎」と自らを鼓舞した。この「あんぱん」というのは『CLANNAD』という作品のなかでヒロインである"渚"という女子高生が、辛い学校生活を少しでも前向きに過ごすため、学食のあんぱんを手に入れ食べることをひそかな楽しみにしながらその1日を頑張るというエピソードに根ざした言葉である。

  ただの、あんぱん。それだけを目的に彼女は勇気を振り絞って坂道を登り、学校へとむかっていく。

  僕も、僕にとってのあんぱんを見つけたいと思って、些細なものかもしれないが、確かに実在する楽しみを見つけたいと思って、その楽しみを大いなる希望と他者への想いにしたいと思って「あんぱん‼︎」と鼓舞した。力強く、しかし静謐なる祈りのような声と厳粛さで。

 言葉は人を変える!僕はいつだって、どんなときだって、馬鹿みたいにそう信じている。信じ続けている。