harustory’s diary

日々の思索、その物語

星々

いつもどおりのある日の事
君は突然立ち上がり言った
「今夜星を見に行こう」

「たまには良いこと言うんだね」なんてみんなして言って笑った
明かりもない道を
バカみたいにはしゃいで笑った
抱え込んだ孤独や不安に
押しつぶされないように

真っ暗な世界から見上げた
夜空は星が降るようで 


君の知らない物語』の一節がふと頭をよぎる。僕は急いでCDを取出し歌詞カードをみては、この記事のエピグラフとして掲げようと思った。カントの美しき箴言でもなく、この歌のメロディーが僕を急かした。

  夜、僕は部屋の窓から空を見上げた。星をみたかったから。夜空に星はみえなかった。僕の窓の切り取られた空間からは剰余の世界はみることができなかった。きっと、僕の眼に映らなかった広大な空には沢山の星達が光り輝いていたのだろう。
  そんな感慨に耽っていた僕は、出し抜けにリビングの大きな窓からもう一度夜空をみることを思いついた。すると、どうだろうか。幾つもの星がきらきらとその存在を誇示するようにあるではないか。3つ並んだ星があったが、星座に疎い僕には、それがなんなのかわからなかった。だが、そんなことまるで関係がなかった。とにかく、星がみつかったことが嬉しかった。暗夜のなかで煌々と、白く清らかに在る星々。
  光のように僕に道を指し示してくれるキミもまた、同じ星をみていたであろうか。