harustory’s diary

日々の思索、その物語

アラクニド

ガンガンコミックスJOKERスクウェア・エニックス発刊『アラクニド』という漫画がある。一巻しか読んでいないので、内容についてはわからないが、興味深い設定があった。

それは作品のなかで、「先天性集中力過剰」と呼ばれる精神疾患


主人公はこの病気を患っている少女。学校は休みがちでクラスメートからは彼女の病に起因する行動の為に虐められ、家庭は母親が鬱病により自殺し、父親もおらず、ほぼ唯一の親類である叔父の被後見人。庇護下にあるその叔父による虐待に苦しんでいる。

そんなところから物語は始まる。

さて、この「先天性集中力過剰」は


「脳の一部になんらかの欠損があり前頭葉の持つ実行機能が制御できず一つの事象に対する認知・判断・選択・精査が過度に行われた結果一時的に身動きがとれなくなる。日常生活には大きな障害となるが…制御できれば大きな力となる」


と説明されている。実際に存在する疾患ではないが、これは強迫性障害の機序と似ている。

僕にも似たようなことが生起する。それは「とらわれ状態」。生産的行為にも非生産的行為にもとらわれる。観念の上でも+と−の考えにとらわれるネガティブ時は、往々にしてネガティブスパイラルが生じるが良いこともある。例えば勉強や読書。ただひたすらに、正にとらわれたように集中してしまう。


没頭体験は誰にもある。強迫性障害などと大仰な病名だが、そもそもこの機制は誰しもが感じたり、体験したりするようなものに対する過剰な反応だったりする。この「過剰さ」が厄介なだけで、奥底にある本質みたいなのは何も変わらない。

僕のひたすらの没頭現象も、万人が共有するものでありながら、その多寡の部分で異なっているだけなのだ。