harustory’s diary

日々の思索、その物語

フォントの不統一

何故だかフォントが統一されない。。この謎が解明できない。綺麗な明朝体でそろっていてほしいのに…。

対話篇

「以前、先輩はウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』を例に挙げ、いきなり難解な原典の訳本にあたるのは時に危険(それが婉曲的な意味であったしても)という旨を仰っていたと思いますが、それについて一寸申し上げたき事があります。 自分はこれまで何冊…

Crime and Punishment

死のうと思った。それは「恥辱」に耐えられないと感じたから。 彼が感じた恥辱がなんであるか、僕は今ここでそれを赤裸々に告白したいと思う。それが、彼の感情を解き明かす事は、そのまま僕の苦悩を、呪われし忌々しい懊悩を、解明することにもなるのだ。 …

天才作家-芥川龍之介の文章-

私は知己を百代の後に待たうとしてゐるものではない。 公衆の批判は、常に正鵠を失しやすいものである。現在の公衆は元より云ふを待たない。歴史は既にペリクレス時代のアゼンスの市民や文芸復興期のフロレンスの市民でさへ、如何に理想の公衆とは縁が遠か…

この感覚

ああ、この感覚!久しぶりに僕はこの研ぎ澄まされた、それは修行僧が修行中に陶酔に浸るかのような、感覚を覚えている! ずっとずっと、僕はこうだったじゃないか!10時間でも20時間でも、寝食をさえ忘れてひたすらに没頭する。世界に没入する。抽象的、観念…

キリストの幻影

「きみにこれを贈ろう。」 出し抜けにその男は言った。 突然目の前に出現したその男の唐突な、それでもどこか胸を穿つような声色に、僕は刹那、周章狼狽した。後、そんな己の態度を自嘲した。こんな男、こんな精神の脈動、そんなものは僕にとってもはやどう…

『金閣寺』-イデアとしての美-

「私は、どんな病気でも、おそれませぬが、皮膚病だけは、とても、とても、いけないのです。どのような苦労をしても、どのような貧乏をしても、皮膚病にだけは、なりたくないと思っていたものでございます。脚が片方なくっても、腕が片方なくっても、皮膚病…

乾坤一擲

私の眼に映ずる先生はたしかに思想家であった。けれどもその思想家の纏め上げた主義の裏には、強い事実が織り込まれているらしかった。自分と切り離された他人の事実でなくって、自分自身が痛切に味わった事実、血が熱くなったり脈が止まったりするほどの事…

『魔法少女まどか☆マギカ』-美樹さやかの生き方-

ねえ、杏子。私、幸せだったとは言えないかもしれないけれど…、でもね、決して不幸な人生だったなんて今は思ってないんだ。「誰かの幸せを祈った分、他の誰かを呪わずにはいられない。」 私は魔法少女の酷薄な宿命を感じたの。あんな、魂のない抜け殻のよう…

暁美ほむら

先程あちらで「癒しはここだけ」みたいなことを言っておきながら、もう疲れてきました。苦笑。そういう気分の時はそういう気分のままに書けばいい。ぐちゃぐちゃを吐露すればいい。添付は劇場版まどマギの特典でキャラクター一人がチケット一回につきもらえ…

ひぐらしのなく頃に-北条悟史の物語-

わたしは良心を持っていない。わたしの持っているのは神経ばかりである。芥川龍之介『侏儒の言葉』「雛見沢症候群」。それは『ひぐらしのなく頃に』という作品中の架空の風土病。発生には幾つか要因が考えられるが、その一つに精神的変調がある。 登場人物の…

就職

あれは確か暑い夏の時分。蝉の鳴き声が忙しなく響いては、その儚き命を、おのが存在の宿命を痛哭しているような日。教育実習を終えた僕は、教員採用試験を受けること(翌年に受け一次学科合格)も、私立学校を調べることも、一般企業に就職しようとすることも…

天人五衰

天界に住まう天人であれ、その姿は衰えていくという。ああ、僕の頭上の花鬘は、やがてその糸に綻びをみせるであろうか!ああ、私の透き通るような衣は埃と垢をつけるであろうか!私の腋下からは汗が滲み、目眩は感覚をずれさせるであろうか!そして、ぼんや…

Lament of the Lamb

2002年、中学生の僕は衝撃を受けた。『羊のうた』という名作に出会ったからだ。 僕は魅了された。作品に、そして冬目景という人物に近づきたいと渇望した僕は、おぼえはじめたばかりのパソコンの掲示板に書き込みをしたり、思いきってオフ会にいったり、冬目…

現実-「死ねない」というならば、僕等は生きねばならぬ。-

「(中略)ところで、問題は、人間の悪い性質からそういうことが起こるのか、それとも人間の本性がそういうものだから起こるのか、という点なんだ。俺に言わせると、人間に対するキリストの愛は、見方によれば、この地上では不可能な奇跡だよ。なるほど、キ…

言の葉

さっきから色んな思いが胸中を去来している。この、今の思い、真実の感情をどのように書けばよいだろうかと苦心していた。感銘を受けた本を引っ張り出してはぺらぺらと読んでみたり、昔、ノートに付けていた日記を読み返していたりした。「なにか適切な言葉…

言葉の力

言葉は人を変える力をもつのか。言葉は人間が生み出した叡智であり、魂そのものか。初めに言葉ありき。創世記、神は人に言葉を託した。神の啓示は人に言葉をもたらすことであった。結果的に。言葉は最初から人には与えられてはいなかった。 もし、僕にとって…

星々

いつもどおりのある日の事君は突然立ち上がり言った「今夜星を見に行こう」「たまには良いこと言うんだね」なんてみんなして言って笑った明かりもない道をバカみたいにはしゃいで笑った抱え込んだ孤独や不安に押しつぶされないように真っ暗な世界から見上げ…

憧憬

僕は脆い人間。とてもとても壊れやすい。壊れればどうなるであろうか?大事にしていたおもちゃが破損し、修理不能となった子のように泣きじゃくるであろうか。その涕涙のわめきは悲鳴と屈辱の慟哭。 然るに、この脆さはとても微妙であり、一方では堅牢なる自…

生きる事を恐れずに

重苦しい、澱んだ空気が部屋に充満していた。僕はベッドの傍らに何か光明を模索せんと、幾つかの本をちらかしては乱読していた。哲学の本二冊、ヘッセの随想、神学、精神医学、心理学、小説…。しかし、それらはみな退屈であった。僕の心を揺り動かすことは…

言葉の遊戯

またまた内容としては陰々滅々たるもので恐縮さを禁じ得なくなってきたのですが、数多の作家達が努力と天稟とでもって築き上げてきた作品群は、苦悩こそが幸福や自らにとっての真理に近接することを教えてくれました。 書き出すと、アンナに口述筆記させて…

人間と動物

うーん、フィクション形式ばかりだなあ、などと人間味ある文をいれておかないと僕の人物像が誤解されかねない汗。 小説には、確かに作者の問題意識が具現している。それ故にこそ、小説は作者自身のモチーフを越え普遍的になり得る。 作者は小説を書く際、"…

父が不在の家庭

「俺たちは親には頼れないんだからしっかりしてくれよ。」 ああ…。あの時分、お前はこんな風なことを言っていたね。僕らはさんざん我が家の親の愚かなさまをみてきたね… 毎日毎日喧嘩を繰り返し怒号が響きわたる光景を長兄は憤りと落胆の念でみつめていたで…

彼の意識

彼は原宿の竹下通りを歩いていた。春らしい爽やかな日差しに恵まれたこの日、竹下通りには本当にたくさんの人が通りの端から端まで,極めて狭いパーソナルの空間を必死になって確保しようとコンクリートの隙間を埋め尽くしている。足と足の間から灰色の道路…

生きる

もしかしたら、お前は今、この僕のメールを苦悶し空虚に支配されながらみているかもしれない。「何を書いているんだ、何も知らないくせに!」と、憤りすら覚えては、捨て鉢な気分で絶望的な嘲笑を浮かべながら読んでいるかもしれない。 それでもいい。お前…

あんぱん

「渡したいものがあるの。」 そう言われたとき、それが何であるのかなど無論彼は想像すること能わなかった。しかし、告げられたその言葉にのせられた情調だけは、彼に、その言葉が一切の不純さなどなく、玲瓏たる素朴さだけが存していることを感じせしめた。…

マルメラードフの告白

はじめに ドストエフスキー研究において、僕は一廉の人物と思うが、これは余計な一文かもしれない。 そう懸念しながら、文章全体の色彩を濁らせるやもしれぬと思いながら冒頭に記すのは、これより叙する、長々しい引用を含めた全てを単なる既読者の為の月並…

回想

回想文。 「 今も僕はこの頃のノートを、『キミよ、未来の、きっと生きていてくれる僕よ、どうか、これを、キミの、それはキミの中に今もいる僕の、その声をどうか消さないでくれ!』そんな空白の叫びの中で聴くが為にこそ大切に抱え、そうして、ほら、こう…

賽は投げられた

「要するに私はうまい工合に、芸術という仮面を被って、愚かな弱い自分をごまかしていたのだ。哲学概論に一日かそこら頭をつっこんだり、まとまりもしない評論を読んでは、むやみに感激して赤線を引きまわしたり、トルストイが何といった、ベートーヴェンが…

A氏の痛哭

「いえいえいいんですよ。君は本当に気にしないでください。君は僕なんかのことで、こんな敗残者なんかの為に気をもむ必要なんか、まるで、まるでないのです! そもそもにして、人には人の苦悩を解決することは出来やしないのですよ。一体誰が真実作家の言…