harustory’s diary

日々の思索、その物語

2018-03-01から1日間の記事一覧

ひぐらしのなく頃に-北条悟史の物語-

わたしは良心を持っていない。わたしの持っているのは神経ばかりである。芥川龍之介『侏儒の言葉』「雛見沢症候群」。それは『ひぐらしのなく頃に』という作品中の架空の風土病。発生には幾つか要因が考えられるが、その一つに精神的変調がある。 登場人物の…

就職

あれは確か暑い夏の時分。蝉の鳴き声が忙しなく響いては、その儚き命を、おのが存在の宿命を痛哭しているような日。教育実習を終えた僕は、教員採用試験を受けること(翌年に受け一次学科合格)も、私立学校を調べることも、一般企業に就職しようとすることも…

天人五衰

天界に住まう天人であれ、その姿は衰えていくという。ああ、僕の頭上の花鬘は、やがてその糸に綻びをみせるであろうか!ああ、私の透き通るような衣は埃と垢をつけるであろうか!私の腋下からは汗が滲み、目眩は感覚をずれさせるであろうか!そして、ぼんや…

Lament of the Lamb

2002年、中学生の僕は衝撃を受けた。『羊のうた』という名作に出会ったからだ。 僕は魅了された。作品に、そして冬目景という人物に近づきたいと渇望した僕は、おぼえはじめたばかりのパソコンの掲示板に書き込みをしたり、思いきってオフ会にいったり、冬目…